相続放棄と未払の公共料金

文責:所長 弁護士

最終更新日:2022年05月24日

1 相続放棄を検討中に公共料金の請求が届いた場合

 相続放棄をする理由は様々です。

 たとえば、亡くなった方が多額の借金を抱えていた場合や、特定の相続人に遺産を集中させたい場合などがあります。

 しかし、相続放棄をするための資料を集めたり、裁判所で手続きをしている間に、亡くなった方宛に公共料金の請求書が届くことがあります。

 「相続放棄をすれば、亡くなった方の債務は負わなくてもいいはずだけど、公共料金は特別な扱いになりそう」というイメージを持つ方は少なくありません。

 そこで、相続放棄と公共料金の関係について、ご説明します。

2 未払の公共料金も、亡くなった方の債務

 たとえば、Aさんが水道光熱費を3か月滞納した状態で亡くなった場合、3か月分の水道光熱費は、Aさんにとっての債務としてカウントされます。

 相続放棄をすれば、亡くなった方の債務を負わなくてもいいという観点から言えば、Aさんの相続人は、未払いの公共料金を支払わなくてもいいということになります。

3 夫婦の場合、未払の公共料金は特別な扱いになることも

 仮にAさんが亡くなり、Aさんと同じ家で暮らしていた妻のBさんが相続放棄をする場合は、さらに検討が必要になります。

 夫婦間では、日常的な支払いについては、共同で負担をしなければならないことがあります。

 つまり、亡くなったAさんが負っていた債務は、Bさんも連帯債務を負っている状態になる場合があるのです。

 そのため、Bさんが相続放棄を行っても、Bさんは「自分の債務」として、公共料金を支払わなければならない場合があります。

4 遺産から公共料金を支払うと、相続放棄ができなくなることも

 相続放棄の重要なルールとして、「遺産を使ってはならない」というものがあります。

 そのため、仮に亡くなった方の口座からお金を払い戻して、公共料金を支払った場合、相続放棄ができなくなる可能性があります。

 もし、公共料金を支払う必要性が出た場合は、相続人の資産から支払うようにする必要があります。

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