相続放棄したかどうかについて確認する方法

文責:所長 弁護士 大澤耕平

最終更新日:2023年12月07日

1 家庭裁判所に相続放棄をしたか問い合わせをする

 相続放棄は、家庭裁判所で行う手続なので、「ある人について、相続放棄がなされたかどうか」は、家庭裁判所の記録に残っています。

 そのため、相続人が相続放棄したかどうかは、家庭裁判所へ問い合わせることで確認できます。

 ただし、電話で問い合わせをしても、回答はしてくれませんので、書面で回答を求める必要があります。

2 家庭裁判所に提出する書類

 相続放棄の有無を確認する場合、家庭裁判所に対し、「照会書」というものを提出します。

 「照会書」には、亡くなった人の情報を記載した上で、「この人が相続放棄をしたのかどうか、教えて欲しい」という『この人』の氏名を記載します。

 たとえば、「大阪 太郎」という人が亡くなり、相続人の中に、「大阪 次郎」という人がいた場合、「照会書」には、「大阪 太郎さんの相続について、大阪 次郎さんが相続放棄したかどうか教えて欲しい」旨の記載をします。

 家庭裁判所は、氏名で同一人物かどうか判断しているため、たとえば「大阪 『二』郎」などと記載した場合には、正確な回答が行われないことがあります。

3 どこの家庭裁判所に提出するのか

 相続放棄は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。

 そのため、「照会書」の提出も、亡くなった方の最後の住所地を管轄する裁判所に行います。

 亡くなった方の最後の住所地は、住民票(除票)で確認する必要があります。

4 誰でも「照会書」を提出できるわけではない

 相続放棄の有無は、プライバシーにかかわることですので、誰でも照会できるわけではありません。

 法的に何らかの利害関係を持っている人だけが、照会できます。

 たとえば、他の相続人、亡くなっていた方にお金を貸していた人など、一定の利害関係がないと、照会はできません。

5 必要な資料

 「照会書」には、必要な資料を添付する必要があります。

 たとえば、亡くなった方の住民票(除票)や、照会をしている方の利害関係を証明する書類などが必要です。

 参考リンク:裁判所・家事事件の各種申請で使う書式について

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